完成の達成感

2024年6月28日

屋内の化粧板張りに手こずりましたが、ついに倉庫が完成しました。
ついに完成した…!時にはみんなヘトヘトでした。
大工仕事は気力と体力をとても消耗しますが、達成感は他のものには変えられません。

一つの建物を建てるまでの四ヶ月間。
たくさんの学びがあり、もっと多くの方と共有したいという想いが大きくなりました。

そのために、新しい取り組みも動き出しています。

今後のお知らせにぜひご注目ください!


軒天を張る

2024年5月25日

棟上げの後は壁の場板、軒天張りを行いました。

軒天は、両側に凹凸のある化粧板をはめ込みながら貼っていきます。

これがなかなか大変。

上を向きながらの作業のため、体勢がきつく、思うような動きができません。

貼った板が左右が平行になっておらず、1ミリずつずれていき、最終的に12ミリずれていて、貼り直すなんてこともありました。

ちょっとしたことが、後々の仕上がりに影響します。

素人で1日かけて行う作業も、大工さんの手にかかればあっという間にきちりと決まります。

作業をする度に、現場の仕事に感動しながら、学んでいます。


建築の現場に、作り手として関わる

2024年5月17日

現場の作り手として関わることで、建築の本当の部分が少しずつ見えてきました。

大工さん、屋根職人さんや左官さんなど…家づくりに関わる職人さんが、お互いに応援、協力、配慮しながら仕事をしているということが身をもって感じられます。

その循環の中に今回は棲み家塾が組み込まれていて、
参加者の方の素直な働きは緩やかに繋がれています。

静かに熱く立ち上がった「いのちの物語」とも関連して、その想いもまたじんわりと伝わってきます。


継手の話

2024年5月7日

天井にかかる梁や母屋(もや)は、長さを取るために継ぎをします。
今回は「金輪継ぎ」と「蟻継ぎ」を場所によって用います。

複雑そうに見える「金輪継ぎ」ですが、
差金一本で墨付けすることができます。
鉋と鑿で形を整えていきます。

墨残し(墨付けの線を残す)の緊張感。
でも思い切りが必要な時もあります。
潔さと慎重さとのバランス感が大切です。

4月の最終日は倉庫での作業最終日。
焦りが影響することもあり…
どんな状況であれ最後まで集中できることが大切になってきますね。


差金・寸法の話

2024年4月18日

ものづくりに定規で測ることは大切です。
微妙な寸法の違いで、ものを使う人の生活に影響してきます。

建築の手刻みの世界では、日本古来の寸法(尺貫法)が用いられています。
一分、一寸、一尺、一間…
メートル法が普及した現代でそれぞれどのくらいの長さか、想像はつくでしょうか?

尺貫法を用いての計測には差金が活躍します。
(試しに自分の親指を測ってみると面白いことにぴたり2寸)
大工さんはL字の差金を器用につかって、墨付けをします。
測るだけでなく鑿での削り出しが水平にできているか確認したりもします。

家具づくりの話をしていた時、対照的に
「建築には遊びがある」
と金氣さんが言いました。
一部きっちり計測はせず、わざとゆとりを持たせるところがあります。
その”遊び”がしなやかな強度に繋がるんだといいます。

へえー!という話は尽きません。


鑿(のみ)の話

2024年4月9日

手刻みの作業で、重要な役割をもつ道具が鑿です。
鑿は大工さんの必需品です。

いい仕事をするためには、よく研ぐこと。
よく研ぐと言ってもすぐに成せるものではありません。
使うたびに研いで、いい具合を探っていきます。
もしも刃が欠けてしまったら、とても大変です。
なので、大工さんは自分の鑿を他人に使わせることを嫌うそうです。
いのちのこもった道具です。
きちんと名前が書いてあるのも納得…!

鑿をつかっていたら、その日現場に来ていた大工さんがシャッシャッと研いでくれました。
研ぎたての鑿だと、作業効率は格段に上がったのでした。

コンコンコン…
鑿をトンカチで打つ音が響きます。
昔はこの音がもっと沢山響いていたんだろうなぁ。


トンカン組み立てる

2024年3月24日

いよいよ部材ができあがりました。
木槌をつかって凹凸をはめ込んだり、込み栓を打ち込んでいきます。
込み栓は一寸×一寸の四角い穴に打ち込まれる角材で、
これが入ることで組み立てられ、これを抜くことで解体できます。

トントントン、とわたしが打つ音と、
講師の金氣さんの打つ音は何かが違いました。
よく耳を凝らすと
トン・(カン)トン・・・と間に弱い音があります。

微妙な音の強弱を早速真似してみると、
思う通りに打ち込むことができたのでした。

実際に立ち上がると、これまでのハテナがそういうことか!と繋がる感動があります。
馬が4つできあがりました👏

学ぶことは真似ること。
近くで見ながら、聞きながら
技を学んでいます。


用途に応じた道具とその使い方

2024年3月19日

さて、加工をしようとする前に道具を選ばなければなりません。

鑿(のみ)や鉋(かんな)、鋸(のこぎり)などの工具のほか、電動の丸鋸やほぞ穴を開けるドリルなどを使います。

今回は、切り出したり、ほぞ穴を空けたり、一部の作業は電動機械に頼りました。
電動であれば速く、正確にできるのですが、機械の速さに合わせるための集中力と、重さに耐える体力をかなり消耗します。

ほぞ穴を地道に鑿で彫っていく作業も行いました。こちらは逆に、時間がかかります。
彫る人によって技量に差が出てしまいますが、微調整がききます。手からの感覚、見える様子と削る音など五感を頼りにいい頃合いを探ります。
やはり工具だと、機械でやるよりも木材との一体感を感じます。

工具は研ぎ具合も大切です。
よく研げたもので切った木材はその分長持ちするんだとか。
道具の状態もしっかり影響してくるんですね。


木の性質を知る


2024年3月17日(日)

棲み家塾開講中です!
今後の作業で活躍する「馬」制作の日程が終了しました。
さて馬は出来上がったのでしょうか^^

少しずつ様子をお伝えしていきます。

まず加工する前に木の性質についてのお話しがありました。
角材となった木材が、もともと地面からどの方向で生えていたのか、節の目の年輪や、表面の色などから判別します。

上下が逆だと空間に立った時、なんとなく気持ちが良くないんだとか。

しかし、理屈はわかっても素人目には判別が難しいものです。
すぐに習得できることなんてないんですね。
形にしていく前に材料を見ることが問われます。


丁寧な気持ちで

2023年1月18日(木)

年が明けて2024年となりました。
米倉庫での棲み家塾も、2年をまわろうとしています。新年一発目の今日も竹小舞壁づくりに集中しました。

担当したところは、筋交がばってんに張られた一面。

筋交の斜めの角度に合わせて、竹の長さを切り揃えていきます。美しく揃えるために、印をつけながら長さを測っていきますが、筋交を避けたいがために一つ一つバラバラなので時間がかかります。

ようやく切り出して合わせようとしてみると、短かった、ということも。資材を無駄にしないためにも「正確に測る」ことがいかに大事か。きちんと測ったつもりでも結果は正直なものです。(金氣)


空き家が活用されることでまちは豊かになる

2023年9月13日(水)

少し涼しくなり、秋の虫たちの声が聞こえてくるようになりました。

いかがお過ごしでしょうか?

さて、津屋崎空き家活用応援団よりお知らせです。

応援団ホームページと「空き家活用ガイドブック」を新しく作成しました。

どちらも空き家でお困りの家主さんの悩みに応えられるように、空き家が活用されるまでの流れをわかりやすく示すことにこだわっています。

https://tsuyazaki-akiya.com/

ホームページ制作は(株)いとぐち様、パンフレット制作はデザインのおと籾井様にそれぞれご協力いただきました。

最近、津屋崎近辺でも宅地開発が進んでいます。

空き家=解体ではないこと、選択肢は他にもあることを、より多くの家主さんに届けられるよう、努めていきます。

今年度も空き家調査をはじめ、司法書士の方との空き家活用セミナーなど企画しています。

こちらの活動も随時お知らせしていきます😀


竹木舞壁づくりに勤しむ夏

2023年8月2日(木)

真夏の暑い中ですが、引き続き旧津崎米倉庫の棲み家塾を開催しています。

床をはり終え、竹木舞壁づくりがメインとなっています。
近所の大峰山から真竹を伐り出し、3mほどある竹を竹割にトンカチを叩きながら割いていきます。
まっすぐに割けていくように、加減しながら打ちこんでいきます。コン・コン・パカーン!とうまく割れたら清々しい。

奮闘して割った竹は、木舞竹の長さに合わせて切っていき、切り揃えた木舞竹は麻紐で編みこんでいきます。これがなかなか神経をつかいます。

一連の作業を終えて出来上がった竹木舞壁を引いて見たときの達成感たるや…!竹の素材感は涼しげです。しかし、猛暑の中の作業です。休みながらぼちぼち進めていきます。(日直・金氣)


祝福の快晴

2023年 6月 3日 (土)

杜のとなり家と庭開き、おかげさまで無事に終えることができました。

この日は雨上がりの快晴で、空気が澄み渡った一日でした。

延々と駆け回る子どもたちに、心のこもった温かいご飯、手づくりの雑貨を囲んだ団欒…。

関わる人それぞれの繋がりが広がっていくような時間となり、そうした場をご一緒できて嬉しい限りです。

そして以前よりも、家の表情が朗らかになったと感じます^^

終わりの会では、スタッフや参加者ひとりひとりの感想を共有する時間をつくりました。ある少年が「楽しかった」と一言。開催できてよかった、と心から思いました。

今後とも杜のとなり、そして暮らしの問屋をどうぞよろしくお願いします!

(日直・金氣)


めぐりめぐる喜び

2023年4月17日(月) 晴れ

津屋崎で芸農活動を展開しているネムハージュさん。

棲み家塾で木を製材した際に出る、大量の木屑をどうしようかと悩んでいたところに、彼らが現れました!

肥料にしようと囲いの中でほかほか熟成中。のぞいてみると小さい虫やミミズ、微生物たちが蠢いていました。

巡り巡るものに、嬉しくなりました。

(日直・金氣)


大切なことは見えないところに

2022年12月1日(木) 曇りのち晴れ

来春の事務所移転に向けて、向かいにある古民家のお庭の環境再生を「植物と人 雨の森」さんにお願いしています。

長らく手付かずのままだったので、ジャングルのように鬱蒼としていましたが、剪定、草刈り後、周りのブロック塀も解体し、風通しのいいお庭に変わりました。

地面に雨が染み込み、水が土の中を流れていくように整えていきます。

間に竹炭や燻炭を撒いたり、落ち葉や稲藁を敷き込んだりすることで、微生物の棲み家を作り、より土が豊かになるようにしていきます。

地道な作業でも、時間と手間を惜しみません。

しかし、その汗みどろな造作の過程は、土の中にあります。

お庭を見渡しながら、店主古橋といい仕事だなぁとしみじみ、頷いていました。

今後は、植樹祭を行う予定です。

誰もが行き交えるような、まちにとっても風通りのいい場所になることを願っています。

(日直・金氣)


環境をつくるということ

2022年11月17日(木)曇り

今日は棲み家塾第3弾の8日目でした。

9・10月にはアトリエを作りたいという方や、木工が好きで興味を持ってくださった方と作業を共にすることができました。

近所の子供たちが遊びに来たり、近くの農家さんが木屑を畑に漉き込んでくれたり、と棲み家塾を通して津崎倉庫とまちの人たちの関わりがじわじわと広がっています。

11月はじめの今日はしばらく間が空いていたので、それぞれ勘を取り戻すのに時間がかかったようです。

私も回転削り機の扱いに苦戦していたところ、骨組みを立てた大工さんが様子を見にきてくれました。「作業台が低かけん、もう少し高くしたらよかよ」と助言をいただきました。確かに、作業台の低さに合わせた姿勢が腰にきていました。

早速、作業環境をあらためて、前よりも姿勢の辛さは改善。仕事をしやすい環境もまた自分でつくっていくものなのだと、気づかされました。

(日直:金氣)


棲み家塾 第3弾 はじまりました

2022年9月15日 (木) 晴れ

棲み家塾 第3弾 津崎倉庫編が、本日よりはじまりました。

今回は、床板のさね加工、ちょうな削り、板張りを行いました。

まずは床板の加工です。回転削り機で板の側面に溝を削ります。

しっかりと押さえながら前進。

木表側の角を鉋(かんな)で面取りしたら、表面を削り機で、器用に動かしながら、なだらかな凸凹に削っていきます。

そうすることで、リズミカルな表情が生まれるのです。

仕上がった床板を、骨組みの構造に合わせながら、インパクトでネジを打ち込んでいきます。

残暑が厳しい中で、汗みどろになりながらの作業でした。時々休憩しながら、適度なペースで進めています。

作業をふり返ると、自分の思い通りになることはほとんどないのです。 しかし、目の前にある材料、手の延長となる機械、そして自分の体調や、周りの環境と自分なりに向き合いながら、作業に集中していると、それなりにいい仕上がりになってくれているような、気がします。

次回は9月22日(木)9:00~です。 ご参加お待ちしております。

(日直 ・金氣 )